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ギャラリー

珍北海道紀行 ROADSIDE HOKKAIDO

      
 

天華園 (現存せず)お知らせ


今回のバブル遺産探訪は、閉園して暫くたった天華園。開園当時の情報が無いので、詳しいことは書けませんのであしからず。
ある程度googleで「天華園」を検索すると、天華園は1992年春に開園し、中国の清時代の宮廷建築様式をモデルとし、設計から資材・施工にいたるまで北京市園林局の協力を得て建設した名園を作り、本格的な中華料理と中国雑技団による演技などを目玉たしたテーマパークであった。 入場者減少の為1997年からは冬季閉鎖とし、そしてとうとう1999年9月に休園となった。 その後、道内大手加森観光が買収しようとしたが白紙になる。 登別の温泉街からチョッと離れた何もない場所に、このテーマパークはある。中国をテーマとしたパークだということは知っていたが実際どのようなモノがあったかは解らなかったので、訪問時は新鮮な気持ちであった。


 

訪問時、閉鎖されて2年経つが雑草もたくさん生えている訳じゃなく、不思議な感じで入場口へ向う。

 

お金をかけていると一目でわかる入場門には営業時間と料金が書かれたままだ。
本格的な中華料理を食べるのに1900円を払ってさらに飯を食べることを考えれば、人が来ないのもうなずける。しかもお金を払うべく夕飯時に営業していないのはランチだけで店を勝負するということだよね。開業する前からすぐ閉鎖される運命は判りそうなものだが…。

 

入場門をくぐると綺麗な石畳と北海道、内地にはない光景が広がっている。従業員はやはり清王朝時代を模した服装だったのか?それとも人民服やチャイナドレスなんぞ着ていたのかな〜と思いをはせる。

 

建物内は本格的中華料理を食べれたであろう空間が窓から見えた。建物も荒らされた形跡も無く、1人歩いているのが逆に不思議な感じがしたよ。更に奥に進むとこちらも食堂だったのでしょうか?それとも雑技を見せる場所だったのか?、建物内の家財道具は撤去されていた。

 

このパークのランドマーク的建物で、遠くからも見える塔の雰囲気は、中国そのものである。霧の感じが更に幻想をかきたてた。建物の細部へのこだわり、屋根の意匠などは目を見張るものがあった。

 

北海道にしてこの中華圏の雰囲気はバブル時代に出来たとは言え、ハリボテを感じさせないのが素晴らしい。。階段を降り、枯山水?の石の綺麗な庭園部分を過ぎ、塔の近くに来るとたくさんの石を使った庭園に釣鐘がある。

 

そしてその脇には何故だが絵馬がぶら下がっていた。その一部の写真がだが、「パチンコ必勝!! 大介」という記載に、この天華園の静寂がとても切なく感じたのであった。



塔は豪華そのもので、内部にはエレベーターが2機あるが、この規模で2機の必要性は感じられない。

 

しかし大体こういう系の建物には、エレベーターは2機付いているんだけどね(芦別大観音、平和の塔、徳川城)。パターンとして片側は使われていなかっただろう。  塔に登ると建物郡が一望できる。ほかに人工的な建物が見えないのが良いね。



庭園部分は池があるがそこに植えられた藤が伸び放題でお化け状態になりつつあった。そしてその向こうの建物の木の装飾部分は朽ちて落下していた。雪の重みなのか、原因は推測すらできない。   

一通りみると、建物の豪華さをみると、本格的な中国テーマパークだったということが解るが、リピーターが出ない限りやはり商売としては成り立たない。しかしこんな建物が利用されていないのはもったいない。

2002年6月

2020年現在、ここは更地となり、中国テーマパーク跡地には皮肉にも中華系太陽光発電が建設された模様。

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