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ギャラリー

珍北海道紀行 ROADSIDE HOKKAIDO

      
 

秘境探検 小幌駅に行ってみたお知らせ


 平成8年(1996年)、夏休みでちょうど帰省していて、たしか道営ナイター競馬の場外発売を札幌競馬場で楽しんだ後、ビールを飲みながら友人の「かに飯を長万部まで食べに行かない?」の唐突の一言がこの探検のスタートであった。
 小幌(こぼろ)駅。鉄道マニアの中でも秘境マニアしか知らないであろう。小幌駅は、室蘭本線で長万部から3つ目の駅であり、ちょうど噴火湾沿いの長万部町と豊浦町の境にある礼文華峠のトンネルとトンネルのわずかなスペースに存在し、車で行く道がない。もし鉄道以外の交通手段は海から船で行くしかない駅なのである。そういう場所なだけに民家なんてもちろんない。何のため存在しているんであろうという疑問を投げかけられる駅なんだよね〜。
 今のようにネットですぐ検索!となった今では、公開されてしまえば秘境感も薄いのかもしれない。


 僕はこの駅の存在は鉄道好きなせいか時刻表や北海道の道路地図を眺めてるのが好きで平成5年位には知っていた。 でも行ってみたいと思ってもすごい行きたいというわけでもなく実際行動を起こせずにいた。そしてかに飯という言葉に僕はとっさに小幌のことが頭に浮かんだ。かに飯ついでに行きたいところがあるということを友人に告げ、ちょうど一日散歩という2000円でフリー区間を乗り放題の切符があるので旅費もかからないということでと二人の思惑が一致した。

 出発は、平成8年8月11日早朝だった。友人との待ち合わせはJR琴似駅であった。函館本線で小樽で古い気動車に乗り換え、いざ長万部へ。この日は札幌出発するときから重く厚い雲が空を覆っており、倶知安過ぎて目名の峠では霧というか小雨という天候で半袖のシャツでは少し肌寒く、この先小幌という秘境の天気が思いやられたけれども峠を下ってくるとまた曇り空になってひと安心。

 長万部に到着してまずは国道5号線のセブンイレブンに行きそのあとかに飯を駅前の[かなや」で買って、駅の横のさびれた駐車場の柵に座って人の動きの少ない駅のホームを眺めながら、できたての弁当を食べ、まずは一つの目標はクリアしたのである。

  

 セブンイレブンの斜め向かいに廃墟と化した映画館があった。なんとなくノスタルジックな気持ちにもなり、長万部が鉄道の町として栄えていたであろうという時代を頭に浮かべたりした。またこのころはまだ国道5号線のバイパスが出来ておらず、道路の真ん中で写真のような行動を撮ることができた。

 いよいよ東室蘭行きの1両編成にのりこみ小幌へ。旭浜、静狩と停車していよいよ小幌へ。長い長いトンネルの中で「次は小幌。」というアナウンスがあり、わくわく感とどきどき感に包まれながらガラガラの列車は小幌に到着した。人の乗り降りはないと思っていると釣竿を持った人たちが3人この列車を待っていた。でも降りる人は僕たちだけだった。


 列車がトンネルに消えていくと僕と友人しかいない世界になった。っと思いきや、高校1年生くらいの気弱そうな少年がこちらを見ていた。結構高そうなカメラを持っていたような気もしたような…、鉄道好き少年ぽかった。



 天気は相変わらず曇りのまま小幌の探索がはじまった。駅は1、2両しか停車するるスペースはなく写真の通り。そしてトンネル…。謎に3つある入り口…。きっとこれは昔単線時代は信号場としてすれ違いの設備をもっていた為、片方だけ2つ穴があってその穴がトンネル内でくっついており、また後にその山側にトンネルを増設した為、片方だけ3つ穴があるのではないかと考えた。そして保線作業する人用の小屋が3つあり、写真にはないがそのうちの一つはぼろ小屋だったような気がする。



 海側には道が出来ており海まで行ってみることにした。道といっても足場のあまりよくはなく、とことこ歩いていく。 すると正面に海が見えてきた。晴れていたらもっと印象的な景色だったであろう。途中道が分かれていたような気もしたな…、忘れちゃったけれど。結構きつい坂を下り海へめざして行く。

 

 波の音がどんどん近くなっていき海岸に出ると小石の海岸であった。ここに釣りやキャンプにきた人が捨てたであろうゴミが散乱していてちょっと悲しい気分にもなったけれども、世間のニュースもざわめきもない世界で、のほほんとするには最高の場所であった。友人もきっとそう思っていたに違いないな。のほほんとしていると、さっきの少年が海岸に向かう坂の途中でこっちを見ていた。僕たちの行動が気になったったのだろう。



 海岸の縁には石で組んだ人工物があった。これは推測でであるが、小幌駅はちょうどトンネルとトンネルの間にありトンネル掘削の際の機材、土砂の搬出に使われた設備の残骸ではないかと考えた。

 後日判明したのだが、岩屋観音というのが、僕たちが下りた海岸とは違うところにあることが分かった。

 小幌は一日に止る列車が3,4本(ちゃんと調べれば違うかも)なので滞在時間は1時間くらいであった。僕たちは長万部行きに乗り、小幌にいた少年はこの列車には乗らず僕たちの列車をやや離れたところからに見送っていた。



 隣の静狩で降り、また東室蘭行きに乗った。この列車は小幌には止まらないのでトンネルを抜けて車窓から一瞬見える小幌を眺めて、いつかまた来ようと誓ったのであった。  このあとは、室蘭までいった。
 そして下りたことの無い恵庭で降りプラプラした後、琴似に帰った。

 デジカメを買った現在、また小幌に行って写真をバチバチととりに行きたいと改めて思ったよ。
 2001年2月25日アップロード。

 ホームページ公開時まだあまり小幌を紹介するサイトは少なかったので、こんな内容でもヤフーが取り上げてアクセス解析がものすごくあがったことがあったよな〜と言う思い出話も。


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